それから30年間、何度も「生成力」に驚かされてきました。30年前は、IBMが業界の王者として君臨していて、自分が生きてるうちにはその立場が揺らぐとは思えなかったのですが、その後IBMは、何度もこの「生成力」によって痛い目を見ています。 どれも、自分の感覚では「絶対IBMが勝つだろう」としか思えませんでした。汎用機SEとして教育を受けた私には、TCP/IPもAT互換機もUNIXもWindowsも「不気味でいかがわしいもの」に見えて、それと比較すると、IBMの製品は常にスマートで論理的で、「まとも」に見えました。 参入障壁を下げて管理をゆるめると、大勢の金脈掘りが押し寄せてきます。ほとんどがクズばっかりで、中には犯罪者や詐欺師に近いのも混ってたりするのですが、「連鎖」が起きるのはそういう混沌の中からです。 今のIBMは、LinuxやJava等のオープンソースソフトウエアの開発に積極的に関与し、その成果をうまく自社の製品ラインに組み込んでいて、うまく生成力に乗っかっている企業の一つだと思いますが、最初からそうだったわけではありません。私もIBMも何度「そんな馬鹿な」と言ったかわかりません。「今度こそ生成力の負けだ」と思って、何度、同じ失敗をしたかわかりません。 生成力とは、場を作る人と集る人の関係です。場を作る人が「そこに集ってくる人たちは必ず何か自分の予想以上のことをやる」と思って、その考えに忠実に場を作れば、そこに生成力が生まれます。